いろいろな温度管理の目的
温度管理と一言で言っても、目的によってその方法は変わってきます。例えば一定の温度以下であれば問題ないようなものであれば、それを超えないことを確実にすれば問題ありません。冷凍食品に対して行われる条件で、-18度以下であれば品質を維持することが可能です。この場合、庫内の温度が基準値以下であることを記録として提示できれば問題になりません。
範囲によって温度管理をしなければならないものもあります。例えば10度から20度の間で維持しなければならないようなものです。医薬品などに見られる条件で逸脱があると、品質が保証できなくなり期待した効能効果が得られない恐れもあります。この場合は保温や定温での保管が必要で、範囲内であることを証明するデータも併せて必要です。
逸脱があった場合は、全て廃棄することになるので、厳密な管理が求められます。記録もかなりの頻度で行う必要があり、抜けがないことも重要です。ある温度を一定時間維持するような温度管理もあります。これは食品の調理や殺菌で用いられる条件です。
細菌は温度によって死滅できる時間が異なります。高温であれば短時間で済みますが、低温で殺菌するときは長い時間が必要です。食材の味や品質が変わらない温度を選ぶ必要があり、製造のスピードに合わせて検討する必要があります。時間が長くなればそれだけコストがかかることになり、製品の値段によっても可能かどうかを検討することとなります。